こんにちは、komekoです。
先日、短鎖脂肪酸とは何かについて簡単解説を行いました。
それによく似た名前のトランス脂肪酸も聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
短鎖脂肪酸は我々の体に良い効果をもたらしてくれるものでしたが、トランス脂肪酸はどうなのでしょうか、善か悪か敵なのか味方なのか、何に含まれているのか、どうやって生み出されるのか、最終的にどうすれば良いのかを説明したいと思います。
トランス脂肪酸とは何か
主に油脂を加工、精製する際に生み出されるものです。
もっと具体的にいうと植物油脂などの液体を添加物を入れて固体化するときに発生します。そして、もう一つは植物油脂を200℃以上で高温で熱する時にも生じます。
(もともと食材に含まれている天然のトランス脂肪酸も存在しますが、それに関しては危険性もなく気にしなくて大丈夫です。)
トランス脂肪酸は摂取しても良いのか
農林水産省のホームページを調べると、
トランス脂肪酸を日常的にとりすぎた場合には生活習慣病になるリスクが高くなり、健康に悪影響を及ぼすものがあります。(農林水産省HPより)
とはっきりと書かれています。これは紛れもない事実であり、つまり摂取しないに越したことはありません。
トランス脂肪酸のリスク
トランス脂肪酸の摂取によるリスクはどういったものがあるのでしょうか。
- 悪玉コレステロールの増加、善玉コレステロールの減少リスク
- 心疾患リスク
- アレルギー性疾患リスク
- 未熟児、流産、死産のリスク
- 子供の障害リスク
- 発がん性リスク
などがあります。みているだけで恐ろしいです。
さらに農林水産省のホームページを調べていくとこのような記載がありました。
世界保健機関(WHO)では、食品からのトランス脂肪酸の摂取量の目標を、総エネルギー摂取量の1%未満としています。 (日本人が1日にとるエネルギー量の平均は約1,900 kcalであり、この1%に相当するトランス脂肪酸の量は約2グラムです。)
農林水産省が平成17~19年に、日本人の食品からのトランス脂肪酸の摂取量を推定した結果、平均摂取量は総摂取エネルギーの0.44~0.47%でした。
日本人のトランス脂肪酸摂取量は、WHOの目標値である総エネルギー摂取量の1%未満でした。
このことから、日本人の通常の食生活では、トランス脂肪酸の摂取により健康に悪影響が生じる可能性は小さいと考えられます。 (農林水産省HPより)
これを読んで皆さんはどう思いましたか?私は正直驚きました。
国は日本人の推定平均摂取量はWHOの目標値よりも少ないので悪影響はないと捉えています。
そもそも何年前のデータなんだとツッコミを入れたくなりましたが、推定による平均摂取量を出して意味ありますか?個人によってトランス脂肪酸の摂取量にかなり差がありますよね?
あたかも安全だというような言い方をすれば、現状トランス脂肪酸を摂取しすぎている人は引き続き過剰摂取を続けますよね?
パン食や洋食屋ファーストフードな年々欧米化の進んでいる日本の食生活において、10年以上の前のデータを未だに有効としているところも認識が甘いのではないかと私は危惧しております。
トランス脂肪酸が多く含まれているもの
トランス脂肪酸が含まれる食品は数多くありますが、身近で特に含有量が多い3つをピックアップしました。
- マーガリン(100gあたりの含有量約7g)
- ショートニング(100gあたりの含有量約13g)
- 植物油脂(100gあたりの含有量約1g)
マーガリンは給食やホテルの朝食などでよく出ていたのを覚えています。そもそもマーガリンは第二次世界大戦によるバター不足の代用品として登場した植物油脂に添加物を加えて無理矢理固体化させたものです。
ショートニングはマーガリンから水分や添加物を取り除いた純度の高い油脂で、バターやラードの代用品で揚げ物やクッキーなどのお菓子をサクッと仕上げるためによく使われるものです。
植物油脂はお菓子や数多くの食品に使用されているいわゆるサラダ油を使用したものです。植物油脂を200℃以上の高温で何度も熱して作られたものがサラダ油です。その時にトランス脂肪酸が作られます。
これら3つを原材料として調理される食べ物は代表的なものとして以下の2つです。
- 揚げ物
- お菓子全般(菓子パン、ケーキ、クッキー、ポテトチップスなどなど)
特に子供も食べる機会の多いお菓子に関しては必ず原材料を確認してみてください。
試しに私も大好きだった『たけのこの里』の原材料を見てみましょう。
メジャーなお菓子はかなりの高確率でショートニング、マーガリン、植物油脂と書かれています。本当に美味しいのですが、これらを毎日のように食べている人がいたら本当に気をつけてください。(腸内炎症を引き起こす小麦粉と乳製品、そして添加物も入っていますね。)
まとめ
以上のことを簡潔にまとめると、
- WHOが決めた一日当たりのトランス脂肪酸含有量は2gまでとし、日本では特に制限などはなし。
- トランス脂肪酸の摂りすぎは心疾患など様々なリスクに繋がり、決して日本人は安全なトランス脂肪酸の基準内で生活しているとは限らない。
- トランス脂肪酸含有量が多いものはマーガリン、ショートニング、植物油脂など
- 揚げ物、お菓子などは要注意
これを踏まえて私自身が史上最強に身体に悪いと思う食べ物は何かと聞かれたら、迷わずこう答えます。
みんな大好き『ドーナツ』です。
理由は砂糖、小麦粉、マーガリンやバター、ショートニングを入れて練り込んだものを高温の植物油脂で揚げて、チョコレートやクリームなどをつけて食べるからです。トランス脂肪酸だけでなく、糖を高温で加熱した時にできる老化物質AGEsも含まれており、腸内炎症を引き起こす小麦粉や乳製品もふんだんに使用されています。
ただ悲しいことに、美味しいんです。めちゃくちゃ美味しいのです。子供も食べたがります。イオンなどに行くと必ずと言って良いほどミスタードーナツがあるのです。
食の勉強をし始めてから、知らない方が良かったと思うことがたまにあります。食に対して無知で無頓着だった時は、ただただ欲望のままに食べたいものを食べまくっていた時はある意味幸せだったなぁと。
『体に負担の少ないものを罪悪感なく自由気ままに美味しく食べたいな…』
そう思いますが、我慢できず罪悪感に駆られて泣きながら今日も私はドーナツを食べます。
<おすすめの植物油>
理想的な油は化学物質を使用せずに圧力をかけて抽出する圧搾法によるものです。
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